オンラインパチンコの仕組みに違法性や安全性はないの?
オンラインパチンコの仕組みは、社会的に認められているリアルパチンコとどこが違うのでしょうか?
そして、リアルパチンコと違うことで、違法性や安全性に問題はないのでしょうか?
リアルパチンコの仕組み
まずは、社会的に認められているリアルパチンコの仕組み(流れ)です。
- パチンコ業者がリアルパチンコ店を開業するには、店舗所在地を管轄する警察署から風営法に基づく営業許可を受けて「お墨付き」を得る。
- 客としてリアルパチンコ店に行ったら、勝ったときの景品と交換するための玉を現金額に応じてパチンコ店から借りる。
- リアルパチンコで大当たりしたら、出玉を現金に換金できる。しかし、パチンコ店内での直接の換金はできず、店内では一旦、出玉と特殊景品を交換する。
- そして、リサイクルショップに不要なものを売って現金化するのと同様、市場で流通しない特殊景品を持っていても仕方ないので、パチンコ店外にある景品交換所で、特殊景品を買い取ってもらう形で現金化する。
- 景品交換所は特殊景品を扱う問屋に特殊景品を買い取ってもらう。そして、問屋はリアルパチンコ店に特殊景品を買い取ってもらう。
このような、パチンコ店⇒景品交換所⇒問屋⇒パチンコ店という流れを経た換金方法である「3店方式交換性」というシステムによって、リアルパチンコの運営は社会的に認められているわけです。
つまり、上記の仕組み(流れ)の「5」が、この3店方式交換性の「キモの部分」に該当するのですが、
- 特殊景品を扱う問屋はいくつもの景品交換所と取引をしている
↓
- 同じ特殊景品が同じところをグルグルと回っているわけでなく、特定の特殊景品が元のパチンコ店に戻るとは限らない
↓
- 結果として、客とパチンコ店が直接やり取りをしていない
↓
- リアルパチンコ店はギャンブルをする場所を提供しているわけでない
↓
- 競馬や競輪などの公営ギャンブルとは別の適法な賭博として、社会的に認められている
というわけです。
オンラインパチンコの仕組み
一方、オンラインパチンコは、リアル店舗にあるパチンコ台をインターネット経由でパソコンやスマホに再現したゲームであり、どこにいても&24時間いつでも、パチンコの射幸性を楽しむことができます。
このオンラインパチンコには、
- 「日本」の会社が運営する「景品交換型」の「遊戯サイト」 と、
- 「海外」の会社が運営するドル建ての「現金を賭けて」遊ぶ「ギャンブルサイト」
がありますが、ここではギャンブルサイトに該当するオンラインパチンコの仕組み(流れ)について言及します。
- 海外のオンラインパチンコ業者がギャンブル合法の国の機関による運営ライセンスを取得して「お墨付き」を得る。
- プレイヤー(客)は、合法的な運営ライセンスを取得しているオンラインパチンコサイトに、初めてならアカウント登録をし、または既にアカウント登録済ならログインする。
- オンラインパチンコサイトで認めている入金方法に応じて、リアルパチンコと同じく、お金と玉を交換する。
- オンラインパチンコで大当たりしたら、サイト上の出玉を現金に交換できる。この場合、リアルパチンコと違って、オンラインパチンコサイトで認めている出金方法(銀行送金・電子決済サービス・暗号資産)により換金できる。
このように、オンラインパチンコは、リアルパチンコと違って、
- パチンコ台で遊ぶにはオンラインパチンコサイトのアカウント登録が必要。
- 「3店方式交換性」という仕組みを経ずに出玉を現金化することができる。
という点が異なります。
3店方式交換性というシステムにのっとらずに換金できるオンラインパチンコは問題ないのでしょうか?
オンラインパチンコに違法性はない
結論から言えば、オンラインパチンコに問題はなく違法性もないと言えます。
その理由は、海外のオンラインパチンコ業者は運営ライセンスを合法的に取得してサイト運営をしており、この場合、日本の法律は適用されないからです。
言い換えれば、日本の法律(刑法)には、オンラインパチンコの運営拠点(サーバー含む)がある国の法律と、遊んだ人がいる日本の法律のどちらで裁けばいいの?かが明記されていません。摘発するための根拠条文が存在しない以上、法律が適用されることはありません(法律学的に「制定法主義」といいます)。
ただし、逆に言えば、海外では合法として認められているオンラインパチンコが日本では法律というルールに明記されていない以上、合法(シロ)とも言えない位置づけとなります。
オンラインパチンコは安心して遊べます
オンラインパチンコの法的な位置づけが合法(シロ)でない以上、ギャンブルサイトであるオンラインパチンコで安心して遊ぶことができないという気持ちを抱いていませんか?
でも、先ほど紹介した「制定法主義」という考え方に基づくならば、オンラインパチンコで遊んだからと言って逮捕・摘発されることは考えにくいです(もちろん、合法的な運営ライセンスを取得しているオンラインパチンコであることが前提です)。
というのも、制定法主義において、問題の良し悪しをジャッジする裁判官は「法律」にのみ拘束されますが、条文の解釈・運用を補完するものとして「判例」も重視します。ここでいう判例とは、過去に具体的事件について裁判所が示した法律的判断のことをいいます。
そして、2016年3月にギャンブルサイトであるオンラインカジノで遊んだプレイヤーは罰せられないという法律的判断が示されました。
https://ameblo.jp/gamblelaw/entry-12235518621.html
この2016年の法律的判断の「概要」とその「結論」とは、
- 日本の賭博に関する法律(刑法第185条・186条)は基本的に運営側(胴元)を裁くためのもの
- 運営側が有罪でないならば、プレイヤーを罰することは出来ない
- 運営側が合法的な運営ライセンスを取得しているならば、基本的には有罪とならない
- したがって、そのサイトで遊んだプレイヤーも罰せられない
というものです。
この2016年の法律的判断の対象は、合法的な運営ライセンスを取得しているオンラインカジノです。しかし、運営システムはギャンブルサイトのオンラインパチンコも同様であり、オンラインパチンコで遊んだとしても、この法律的判断と同じ結論にならざるを得ないと考えます。
したがって、合法的な運営ライセンスを取得しているオンラインパチンコは安心して遊ぶことができます。